2017年末より、廃プラスチック類の処分・リサイクルに大きな波がきました。

その波は、中国よりやってきまして、

日本の廃プラのリサイクル市場に大きな変化をもたらすことになりました。

 

廃プラ市場は短期間の間に大きく変動しました。

今後、日本国内での廃プラの処分(リサイクル)に対する需要は急増するものと思われます。

今日は、私の予想する今後の廃プラ処分の展望について記事を書いてみます。

 

中国からの廃プラ受け入れ拒絶の話をする前に、

まずは廃棄物と有価物の線引きについての一般論。

廃棄物を端的に言い表すと、不要物ということになります。

ところが、不要物とは何か、という話になりますと、

非常に難しい問題に深入りしていくことになります。

 

廃棄物と有価物の線引きをどこでするのか。

基準をどのように設定するのか。

この問題は、廃掃法における最大の論点になっています。

 

たとえば、解体工事現場から出た木くずの山があったとして、

これは廃棄物なのか?

あるいは印刷業から排出された紙切れの山があったとして、

これは廃棄物なのか?

集めたペットボトルは、廃棄物なのか?

廃バッテリーは、廃棄物なのか?

 

木くずもペットボトルもバッテリーも、

要らないという人がいたから、捨てられたということになります。

しかし、上記に列挙したものはいずれも、リサイクルにより再資源化が可能。

 

再資源化ができる物ということは、製造原料に他ならないわけで、

これらは市場で有価で取引をされる可能性があるわけです。

有価で取引されるものは、仮に誰かが自分には不要だと判断したものであっても、

廃棄物としてではなく有価物(市場に流通している商品)として扱うべきではないか。

 

資源のリサイクル工程が複雑化するにつれ、その物が廃棄物なのか有価物なのか、

よく分からなくなってしまいました。

現在は、総合判断説という考え方に沿って実務的には運用されていますが、

この総合判断説というのは5つの要素を総合的に判断して線引きをするというもので、

そもそもこの基準自体に曖昧さを残しています。

 

当事務所では、有価物の有価性の証明などの依頼を請けることもありますが、

廃棄物か有価物かという証明は、実際にはなかなか難しいのです。

 

総合判断説の5要素のひとつに「通常の取扱い形態」があります。

その物(有価物か廃棄物か)を自ら利用する場合、

その物に製品としての市場が形成されているかどうか、

これが非常に重要な判断基準のひとつになるのです。

 

冒頭に掲げた廃プラスチック類の場合、

2017年までは比較的安定した市場が形成されていました。

その安定した市場はもちろん、中国とつながっていました。

廃プラは中国に輸出され、そこで資源化をされていたのです。

 

ところが、2017年末ごろより、

中国政府は日本などの海外からの廃プラ等の受け入れを禁止しました。

2018年以降、日本国内では廃プラが輸出・処分されることなく、

ダブついています。

 

これまでは、資源として有価で取引され、市場が形成されていた廃プラ。

もちろんこれは、中国ありきの有価物だったわけですが、

中国が受け入れてくれないとなると、国内の廃プラは市場価値を失い、

廃棄物へと変わることになります。

 

そういった大きな波が、2017年から2018年までの間に、

中国発、日本まで広がってきたのでした。

なぜ、中国は外国からの廃プラの受け入れを拒絶したのか。

それは、中国国内の経済力が向上していくにつれて、

中国国民の環境意識が向上し、

「ごみ」に対する拒絶感が現れてきたためだといわれています。

 

もちろん、海外からの廃プラを受け入れをしないことで、

中国国内への経済的なダメージは不可避でしょう。

中国政府はそれを覚悟の上で、経済成長を犠牲にしてでも環境を選択した、

ということです。

 

問題は、日本に対する影響です。

日本としては、中国に代わって廃プラを受け入れてくれる別の国に輸出するか、

日本国内で資源リサイクルを行うしかないのです。

今後の社会情勢を考慮すると、廃棄物は排出事業者が処理すべきように、

国内で排出された廃プラも国内で処理すべき流れになるでしょう。

 

さて、これまでは中国市場のおかげで有価物としての市場を形成してきた廃プラですが、

今後国内でリサイクルされるとなると、有価物としての処理は難しくなるかもしれません。

受け入れの段階で廃プラの買い取りはできず、受け入れと同時に処分費を徴収するしかなく、

逆有償の状態になるのです。

つまり、今まで中国市場のおかげで有価物として扱われていた廃プラは、

今後は廃棄物として処理をしなければならない、ということ。

 

国内で廃プラを破砕していた事業者は、

これまでは有価物の破砕として無許可で営業をしていたかもしれません。

しかし、今後は廃棄物の破砕となれば、

廃棄物処理施設設置許可や処分業許可といった許可が必要になってきます。

私の予想では今後、中国への輸出に代わって、

国内で廃プラを廃棄物として処理する中間処理場が増えてくるのではないかと感じています。

 

廃プラ自体は2017年も2018年も全く同じものなのに、

有価物と廃棄物の間に引かれた線が、社会情勢によって変化したという事例でした。

 

(河野)