産業廃棄物処理業の許可を申請する場合、「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会」という長い名前の講習を受講し、講習の最後等に行われる試験に合格する必要があります。

この講習会ですが、愛知県だと愛知県産業廃棄物協会、大阪府だと大阪府産業廃棄物協会、岡山県だと岡山県産業廃棄物協会と、各県の産業廃棄物協会が主催しています。

広島県は、広島県資源循環協会と、名前がやや違いますが、各都道府県の産廃協会等が許可申請に関する講習会を開催しています。

当事務所のウェブサイトのインデックスページに設置した「産廃収集運搬業の申請に関する講習会一覧」のリンク集より、各都道府県の講習会情報に関するページに移動することができるので、ご利用ください。

 

この講習会なのですが、新規・更新や収集運搬・処分、普通産廃や特管などの区別で何種類も講習会があり、どれを受講すべきなのかはなかなか難しい判断が要ることがあります。

「どの講習会を受講すべきか?」なんて、考えたこともない、という方がほとんどでしょうが、実はこの問題は考えれば考えるほど奥が深いものなのです。

産廃業許可申請をやりつくして、初めてこのむずかしさが分かるというか。

 

(難しさの例)

①新規講習会の有効期限は5年です。

これには、たぶん例外はありません。

しかし、「更新講習会の有効期限は何年なのか?」

5年説と2年説があり、自治体の対応はバラバラのようです。

愛知県は、更新講習会の有効期限を2年から5年へ改めました。

一昨年のことです。

 

②ある会社役員は、更新の講習会しか受講していません。

「新規の申請はできますか?」

この場合、その会社で何か廃棄物処理業の許可を持っていれば、更新の講習で新規の申請ができる可能性が高いです。

③たとえば、兵庫県の普通産廃許可を取得しているA会社の役員が、A会社で京都府の普通産廃の新規許可を取得するのであれば、講習会は更新のもので構いません。(もちろん、新規の講習でもいいです。) しかし、役員が複数いて、講習会の受講者が異なっていたらどうなんでしょう? 兵庫県の許可を取得した際に新規の講習会を受講した役員以外の者で、いまだ新規の講習会を受講したことがない者が、更新の講習会の受講だけで新規許可の能力の証明になるのかどうか…?、というのは、なかなか難問です。

④役員が個人事業で許可を持っていて、それを法人成りして会社で新規許可を取得するには、新規の許可申請の受講のしなおしが必要です。別会社だったとしても、原則として新規の受講が要るでしょう。合併で法人格を承継する場合は例外。

⑤A会社は、岡山県で産廃の処分業の許可を持っているとします。今回新たに、岡山県で収集運搬業の新規許可を取得するには、講習会は更新でいいのか、それとも新規の講習会を受けないといけないのか? これは難しい。

⑥A会社は、倉敷市で一般廃棄物収集運搬業を営んでいるとして、今回新たに岡山県で収集運搬業の新規許可を取得するには、講習会は更新でいいのか? これも、即答できる人は少ないでしょう。

⑦誰が講習会を受講すべきなのか? 「政令使用人」という概念が出てきますが、これがまた申請先自治体により解釈が異なります。

⑧講習会修了と申請の先後関係は??

これも、講習会が先だとは当然のようには言えないので、難しい。というか、都道府県で扱いが違いすぎます。

 

他にも、考える事は多く、講習会の受講は、実は産廃業許可の難問の一つでもあるんです。

私も、今までに、ここに書けないほどの産廃業許可申請を代行してきて、沢山のケースを見てきましたが、

今だに講習会のことは迷ったり悩んだりしています。

大阪府などは更新の講習に関して独自の制度があり、それらも含めると講習会問題はなかなか一筋縄では片付きません。

電話で質問していただければ、きちんとお答えします。

 

(河野)

 

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