「産廃業ってヤクザが関わってるんやろ?

なんか面倒なことにならんの?」

 

私の職業(産廃業許可申請を専門とする行政書士)を聞いた方から、よく言われます。

1人2人じゃありません。

これまでに軽く10人以上の方に、同じ質問をされました。

中には、同業の行政書士からも、

「産廃業はヤクザとの絡みがあるから、うちは一切しません」

と言われることも・・・

 

産廃業とか産廃というと、どうもガラの悪いイメージを持たれる方が多い。

彼らが言うヤクザとは、暴力団員等の反社会的勢力ということでしょう。

 

私は、2003年に行政書士として開業してからしばらくは、

風俗営業許可申請を専門にしていました。

2008年に産廃業許可申請専門に転向するまで、

行政書士キャリアの前半を風俗営業の世界で過ごしました。

ですので、「産廃業=ヤクザ。だからこわい」などという不安を抱かずに、

産廃業の世界に入ってきました。

 

風俗営業の世界がどうだったかをここに書くつもりはありませんが、

産廃業の世界は、決して暴力団が幅を利かせているような世界ではありません。

これは、産廃業界で働く方の名誉のために、私が声を大きくして申し上げたいことです。

 

まず、産業廃棄物処理業を営むためには、

産業廃棄物収集運搬業や産業廃棄物処理業の許可を受けなければなりません。

この許可を取得するに先立って、会社の役員、株主等の住民票を必ず提出することになります。

 

住民票には、暴力団員であるかどうかは一切書かれていませんが、

許可申請を受理した自治体は、その住民票の人間には、

犯歴はないかと反社会的勢力ではないか、

その都度データベースで調べているのです。

これを「欠格照会」と呼んでいます。

反社会的勢力が1人でも役員株主の中に含まれていれば、その申請は必ず不許可になります。

つまり、役員株主にヤクザがいる企業は、そもそも産業廃棄物処理業の許可を取得できないのです。

 

それから、産業廃棄物処理業を営む会社の中には、一般廃棄物処理業も兼業している会社もあり、

こちらは市町村のゴミ収集などの仕事を、自治体からの委託を受けて行っています。

そのような企業の中に反社会的勢力があるということは、普通は考えられません。

市役所がヤクザに仕事を発注なんて、冗談にもなりません。

 

むしろ、廃棄物処理業許可を取得している業者というのは、

役員や株主に反社会的勢力が含まれていないことの証明になるものです。

自治体が、反社会的勢力ではないことを確認してから許可証を発行しているわけですから。

一方、世の中には、無許可で違法に廃棄物を集めているような業者も実在します。

そのような業者は、反社会的勢力が関わっていないかどうかの審査を役所からは受けていないのです。

業者がヤクザかどうかを調べようと思えば、まずは産廃業の許可があるかどうかを調べればいい。

 

実際のところ、産廃処理業者のほとんどは、決して怖いところではなく、

会社の事務所も、ゴミを扱う会社だからこそ綺麗にしていたりします。

ですから、産廃業者の事務所は、おおむね綺麗。

そもそも、自社のゴミを片付けられないような業者が、他社のゴミなんて取り扱えないでしょう。

それに、真面目に地道に一所懸命に商売をしないと、産廃では食っていけません。

ちょっと悪いことをして儲かるほど、現在の行政の指導監督は甘くないのです。

 

産廃屋=ヤクザだ、と思う方は、

社会の廃棄物がどのように処理されているのかなんて全く興味のない方なのではないかと私は感じます。

あなたの廃棄物をリサイクルしてくれている人が、世の中にはいます。

ぜひ一度、中間処理場の見学でもしていただければ、

この仕事の価値がご理解いただけるのではないかと私は思っています。

 

(河野)