産業廃棄物収集運搬業の許可を1日でも早く取得する必要があるとします。

・もう仕事が決まっているが、許可が必要

・元請より、急げとせかされている

このような場合に、

1日でも早く産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するための具体的な方法について、

許可申請のプロである行政書士としての視点で語ってみます。

 

お急ぎということですので、まずは時系列を逆走してみましょう。

まず、最終的には都道府県から許可証を交付してもらうことがゴールです。

許可証交付を受けるには、当然のことながら申請をして、審査される必要があります。

都道府県の審査の中で、「産業廃棄物収集運搬業をしてもいい」と判断された企業に、

産業廃棄物収集運搬業の許可が与えられるのですから、

審査の材料となる申請を一日でも早くする必要があるのです。

 

申請から、許可証が出るまでの期間は自治体によりかなりバラツキがあります。

ここでは、審査期間の最大公約数として、2カ月という期間を一応記載しておきますが、

申請前に、そして申請時に、窓口で審査期間を必ず確認しましょう。

その際に、

「大体2ヶ月くらいですよ」

と言ってくれることもありますし、

「標準処理期間は60日です」

と言われることもあります。

 

この「標準処理期間」という概念がなかなか曲者でして、

解説すると行政手続法という法律の話になってしまい難しくなるので、

今回は割愛。

ただし、行政手続法は私たち行政書士が行政庁と話をするときの、

いわば共通ルールとなる重要な法律です。

 

ここまでの話で、許可を早く取得するには申請を早くする必要があるということを、

ご理解いただけたかと思います。

なお、申請が早く終わったのに、許可証が出ない、というケースもあります。

それが、「補正が終わっていな」というケース。

補正というのは、申請書の不備を役所から指摘されて、

ここを直して申請書類を差し替えてね、というような話なのですが、

ここもなかなか奥が深い。

 

申請書の記載ミスを訂正するくらいの補正なら一瞬で終わりますが、

中には修正がとても大変な補正というのもあります。

さらには、私が経験したもののなかには、

こんな指摘もありました。

「会社の敷地内に堆積している産業廃棄物を撤去しない限りは、許可を出さない」

というもの。

その県では、申請後に立ち入り検査があり、その際に指摘を受けた事項でした。

 

話を「1日も早く産廃業許可を取得する方法」の本筋に戻すと、

どうやら許可証を早く取得するには、申請を早くする必要があるということでした。

慣れない申請書類を作るのに不必要に時間がかかってはいけないので、

私どものような行政書士が書類作成の代行サービスをしています。

急いでいるときは、私どもに限らず、プロである行政書士に依頼すべきでしょう。

 

なお、私どもにご依頼をいただいた場合、受注の翌日に申請をしたことも度々あります。

受注日当日申請というのも、物理的に可能であればぜひ挑戦したい案件。

書類作成を急ぐことは、必殺技「人海戦術」を用いればいくらでもできるんですが、

そもそも許可申請の要件が整っていなければ、どうにもなりません。

その代表例が、講習会の受講なのです。

 

収集運搬業の許可申請書には、講習会の修了証の添付が必要になります。

講習会修了証だけは、他の添付書類である住民票や会社登記簿謄本と違い、

今すぐに準備できるという性質のものではありません。

講習会の申し込みをして、受講して試験に合格して、

講習会修了証が送られてくるまで待たないといけないのです。

 

実際に講習会を申し込んだことがある方なら分るでしょうが、

直近の講習会は全て残席なしで、ちょっと先の日程だったり、

遠方に受講に行かなければならなかったりするわけです。

私自身も一昨年に講習会を受講しましたが、そのときは奈良県まで行きました。

 

この講習会の受講のせいで、許可申請が大幅に遅れるということがありえます。

これをなんとか切り抜ける方法はないのか。

私なりに考えてみましたが、以下の方法なら可能だと思います。

 

解決法1

すでに講習会を修了している者を取締役に選任する

解決法2

すでに講習会を修了している者を雇用し、政令使用人にする。

 

どちらの方法も、実体がないにも関わらず登記だけしたとなると、

違法行為です。

名義貸しで産廃業許可を取得したとなると、その許可は取消対象ですし、

刑事事件に発展する可能性もあります。

許可申請における名義貸しだけは、絶対にしないでください。

借りた方も貸した方も、いずれ不幸になります。

 

しかし、実際に取締役や政令使用人として講習会修了者を会社に迎えて、

仕事をしてもらうのであれば、虚偽申請でもなんでもありません。

 

「社長、もう今から講習会を受けてる時間なんかありません。

どなたか、講習会修了者で、御社の取締役になってくれそうな方はいませんか?」

「私の弟が同じように収集運搬業を営んでて、頼めば取締役にはなってくれるでしょうけど、

彼は自分の会社の修了者ですから、ダメですよね?」

「すぐに依頼してください。講習会の修了者に専任義務はないので、実体があれば何社でも兼ねられます。

弟さんの承諾が得られ次第、大至急で役員変更登記の準備を!」

 

こういった会話が、実務では繰り広げられています。

他にもまだまだノウハウがありますので、ここでそのうち公開していきます。

繰り返しますが、名義貸しの虚偽申請は絶対ダメです。

長期的には、会社を潰します。

 

(河野)