私は、2003年より行政書士を営んでおり、

今年で14年目に入ります。

その間、私は許認可申請手続を専門にしてきました。

 

行政書士の仕事には大きく分けて何種類かあるのですが、

その中のひとつであり、最も行政書士らしい仕事が、

許認可申請手続です。

 

当事務所で、年間300件以上申請している産業廃棄物処理業の許可申請は、

まさに許認可申請手続の代表例です。

許可申請して、営業許可をもらうことが許認可申請です。

営業許可の取得手続が、これまで私がやってきた仕事ということになります。

 

経験はまだまだ14年ですが(2017年現在)、営業許可を取得してきた件数ベースでは、

行政書士の中でもかなり多い方だと自負しています。

多くの行政書士事務所は、個人で経営しており、

月間に数件の許認可申請をしているケースが多いのですが、

当事務所は従業員を10名以上抱えて日々許認可の手続きをしていますので、

どうしても件数はかなり多くなります。

 

当事務所は今は産業廃棄物処理業が許認可のメインですが、

あらゆる許認可申請手続に共通している考え方があります。

その考え方が、許認可を専門に扱う行政書士には必須のものですので、

今日はそれについて書いてみたいと思います。

 

まず、申請書類の構造について。

許可申請書類一式は、申請書と添付書類の束から成り立っています。

まずは、申請書が上にきます。

申請書とは、「産業廃棄物処理業の許可をください」というお願い文書なのです。

 

お願い文書である申請書に続いて、いろんな添付書類がついてきます。

添付書類とは、住民票や納税証明書などの公文書類や、

地図や事業計画書などの書類があります。

 

これらの書類は、なぜ添付しなければならないのか?

それは、申請者が許可を取得するだけの要件を整えていますよということの証明のために必要なのです。

添付書類は、許可要件が整っていることの疎明資料のようなものなのです。

 

私たち行政書士は、申請書類一式が、申請書と添付書類に分かれており、

添付書類は疎明資料であることを常に意識して書類作成をすべきだと思っています。

これがついつい実務では忘れがちになってしまい、

許可申請の手引きの添付書類一覧表をにらめっこしてしまいがちなのです。

 

確かに、添付書類一覧表は便利ですし、申請書類作成時には必ずチェックします。

けれども、添付書類一覧表をチェックする前に、

なぜその書類を求められているのか?

に頭を巡らす必要があると私は思っています。

 

書類を求めているのには、理由があるはずです。

「その書類で何を疎明させようとしているのか?」

そこまで思いが及べば、

おそらく書類作成時の添付書類に対する精度が大きく向上すると思います。

 

そして、こういう思考が身についていると、

変更届で必要な添付書類は、手引きを見なくても予想がつくようになります。

もちろん、添付書類には自治体ごとのローカルルールがありますから、

手引きを見なくても全ての添付書類が分かる、というわけにはいきません。

しかし、なんとなく予測がつく、という状態が、

書類収集、作成のスピードも大幅に上げることになります。

 

許可申請の根底には民事訴訟法の考え方がある、と私は事務所では指導しています。

訴訟法を少しでも知ってる人には、訴訟手続との比較で許認可手続の話をしています。

 

(河野)