産廃業に関わらずなんですが、許認可申請というのは、申請者自身が行うというのが建前です。

私たち行政書士が、申請者の代理人として申請をするというのは、例外事例です。

あらゆる許認可の行政手続きは、基本的にこのような建前があります。

 

原則、本人申請ではあるけれども、代理人として行政書士が許認可を行うことがある。

つまり、許可申請の書類に関しては、本人が作れることが前提にあります。

もっと言うと、行政側は「誰でも手続きができるように」しておかなければならない、ということです。

 

産廃業許可申請に関していうと、積替保管を含まない収集運搬業許可であれば、

誰もが手続きできるように行政側が準備してくれている、と考えてもいいと思います。

インターネットで検索をすると、大抵の都道府県の許可申請手引きがダウンロードできます。

当事務所のWEBサイトからもリンクを貼っていますので、

そこから移動して手引きを落としてきてもらえれば、基本的に誰でも書類は作れます。

 

産廃業許可申請は、都道府県ごとに書類が色々違いますし、手引きの出来もまちまちです。

記載例のない手引きを出している県もありますし、手引きにルールを明示しきれていない県もあります。

手引きは頻繁に変更がありますので、常に最新の手引きを参照しなければなりません。

しかし、収集運搬業許可申請に関しては、手引きを読みこめばほぼ申請書は作れます。

 

それでも分からないことは、都道府県の担当者に聞けば、懇切丁寧に教えてもらえます。

手引きにルールが明示されてなくて困る例としていくつかあげてみます。

 

①「事業場」の記載欄があるが、事業場の定義をしている手引きは少ない

申請書一面には、大抵「事業場」の記入欄があります。

ところが、事業場は各自治体ごとに概念が異なるんです。

ある県では駐車場を書かせ、ある県では積替保管施設を書かせ、またある県では支店営業所を書かせます。

積替保管施設がなければ駐車場を、みたいな合わせ技まで登場します。

 

②会社の定款の目的の記載は、これでいいのか?

純粋な廃棄物処理業者であれば、定款(および謄本)の目的の中に、

「廃棄物処理業」等の文言が入っていることでしょう。

ところが、産廃業の許可は、本業以外で取得するケースがかなり多い。

「とび・土工、解体工事、それに附帯する一切の業」という目的の記載があり、

解体工事に伴い排出される建廃を運搬するのに産廃業許可を取得するとして、

目的に「産業廃棄物収集運搬業」等の記載は不要といえるのか?

運送業者が静脈物流のための許可を取得する場合はどうなのか?

 

手引きというのは、熟読すればするほどいろんな疑問点が出てきます。

当事務所では、手引きに関して役所への質問を長年にわたって繰り返し、

質疑応答みたいな形式で手引きを補完しています。

 

私たちは、収集運搬業許可申請においては、

本来誰でもできるはずのことを、プロとして代行する事務所を目指しています。

プロとしての違いというのを依頼者に見せられるようにしなければいけません。

「産廃業許可は難しいんですよ」「産廃業許可は奥が深いんですよ」

等々を私たち行政書士が繰り返したところで、

むしろ市場で我々のサービスを購入してくれる方々は、離れていくのではないかと感じてます。

もっと違った形で、行政書士はプロとしての力を見せないといけないと感じています。

 

(河野)