しばらくブログ執筆の間隔が空いてしまいました。

事務所のウェブサイト担当者以外には「ブログはまだか?」

と督促されることもありませんでした。

実際、今年の上半期は、日本中が大変な事態でして、

私もブログを書く気さえおきなかったのでした。

 

 

 

当社もコロナの煽りを様々な形で受けました。

許可権者である都道府県との打ち合わせも延期、

生活環境影響調査のための測定も延期、

許可申請のための講習会も延期。

 

 

 

感染予防のためだとは「百も承知」の上で。

我々民間企業は、社員の出勤制限をしてもテレワーク導入をしても、

コロナは一切の言い訳にできません。

従前と全く同じ結果を顧客に対して出し続けていかなければなりません。

ところが、行政側からは容赦なく

「コロナだから対応不可」と言われてしまいます。

 

 

 

許可権者である申請先の担当者との打ち合わせさえもできない、

となると事業開始への期間的影響は事業者の金銭的な負担になって響いてきます。

そして当然、我々も事業が遅延することへの責任を問われてくるわけです。

今は行政が対応できないから、という理由で

銀行への返済を止めるわけにもいきませんから。

 

 

 

民間企業は結果を出し続けないと契約を打ち切られるというリスクがあります。

ところが、我々は

「〇〇県の窓口が対応してくれないなら、〇〇市に許可申請を出そうか」

などと申請先を変更することはできません。法律で決まってますので。

打ち合わせさえも進まない事業のための経費は、

事業を計画している企業の負担になっています。

 

一刻も早いコロナ収束を切に願います。

 

 

 

コロナによって様々な産業に影響が出ていますが、

廃棄物処理業界でいうとまずは輸出・貿易にかかる分野でしょう。

廃棄物は国境を跨ぐ、否、国境を跨ぐ以上は

本来「廃棄物」であってはならないのですが、

特に中国や東南アジアとの貿易を抜きにして

日本国内の廃棄物処理を語ることはできないと私は確信しています。

 

 

 

そして、これは身近な問題。

家庭より排出される一般廃棄物の量がかなり増加しているのではないかと思われます。

人間が活動すればそこには必ず廃棄物が生まれます。

事業活動から発生する廃棄物は、「産業廃棄物」になったり

「事業系一般廃棄物」になったりします。

それ以外が「一般廃棄物」で、一般廃棄物の処理責任は市町村にあります。

 

 

 

事業活動は自粛、飲食店も自粛。

そうすると、人は家に籠るしかない。

それが全て一般廃棄物になりますので、おそらく市町村の一般廃棄物の

収集運搬の現場あたりはかなり疲弊しているのではないかと思われます。

 

 

 

処理責任が市町村にあるということは、

市民は一般廃棄物である家庭ごみを「捨てるのはタダ」

という認識でいるのだろうと思います。

当然、税金で処理しているわけですが。

家庭ごみの収集運搬に関して大きく分けると2つの方法があります。

市町村自ら回収するか、民間企業が市の委託等を受けて回収するか。

 

 

 

民間企業への委託料は、おそらく

コロナだからという理由では増額できないのではないかと思います。

特に入札で受注している業務は事実上、

前年度の排出量基準で入札金額が決まっています。

収集運搬に従事する企業の売上金額は決まっており、

仕事量だけがどんどん増えているのではないでしょうか。

コロナで廃棄物が増えても、

企業が儲かることもなければ、従業員に還元されることもない、

という事態になりはしないかと危惧しています。

各地の一般廃棄物処理業に関わる方が、現況を教えていただければ感謝します。

 

 

 

今回、コロナでいろんな事業者、それに従事する従業員が、

何も知らない方々から非難をされたという悲しい出来事があったようです。

ライフラインを担っているはずの運送業者に対する罵声などのニュースを読むと、

なんともいたたまれない気持ちになります。

 

 

 

ところが、

物流=「動脈物流」を担う運送業者に対する同情や感謝の言葉はいくつか目にしましたが、

もう一つの物流=「静脈物流」を担う廃棄物収集運搬業者は

世間からは全く黙殺されているようです。

 

「コロナで家にいて暇だから、大掃除をした」という話を聞けば、

私は「捨てられたごみを運ぶ業者は大変だろうな」と感じてしまうのです。

トイレットペーパーを買い占める人がいるようですが、

家に買い占めたトイレットペーパーを保管するスペースが

かなり取られるのではないかと思います。

トイレットペーパーを保管する人はいても、

家にごみを保管しようと思う人はまずいないでしょう。

 

 

 

外出自粛と言われても、ごみは捨てたい。

これが人間です。

誰かが毎日使い捨ててるマスクが入った袋を、

その手で回収してくれている人がいるから衛生的な生活を営めるのです。

 

 

 

産業廃棄物に関しては、排出事業者に処理責任があり、

「汚染者負担の原則」が貫かれています。

事業者は金儲けしたんだから、その利益でごみ処理をしなさい、ということです。

汚染者負担の原則というのは、廃棄物処理を市場経済の中に組み込む

素晴らしい英知だと私は思っています。

この汚染者負担の原則を一般廃棄物、

すなわち家庭ごみにまで及ぼすことはされていません。

 

それはなぜなのか。

 

 

 

廃棄物処理法は法律の沿革もあり、

「公衆衛生の向上」もその目的としています。

私の理解を経済的に説明すると、

公衆衛生は公共財なのではないか、と思っています。

道路や橋や信号機と同じように、

市民は公衆衛生を利用料金を支払うことなく

享受できるべきであると思われています。

そもそも、誰が公衆衛生というサービスを享受したかの特定もできない。

だから自由市場では誰も公衆衛生を提供しません。

そこから一般廃棄物の処理責任が政府、

この場合は市町村になっているのではないかと思ってます。

 

 

 

廃棄物処理法、通常は「廃掃法」と略されます。

実は廃棄物処理法もすでに省略形で、

廃棄物の処理及び清掃に関する法律という名称。

その前身は「清掃法」でした。

なので今でも建物の占有者には「大掃除の義務」が

53項に規定されていたりします。

公衆衛生の向上は、この清掃法から引き継がれているわけですが、

これは昭和の東京オリンピックよりも前からあるような法律です。

当時と比較すれば今は公衆衛生は大きく向上しています。

公衆衛生という立法目的、今でも当時と同様の解釈のままでよいのか。

 

 

 

コロナにより大量に溢れる家庭ごみを見ていると、

国民にも「汚染者負担の原則」が近い未来では求められるべきではないか

と感じてしまうわけです。

あくまでも私の考えですが、税金で処理するのではなく、

個人が排出するごみの量に合わせた処理費負担ということです。

汚染者負担の原則をどこまで徹底できるのか、という話。

 

 

 

今日は私の思いのたけを綴るような記事になってしまいましたが、

コロナの全てが悪かったかと言えば、そうではありません。

コロナによって、気づかされたこと、

そして世間のコンセンサスが成立したことがあります。

それが、テレワークの有用性。

zoomteamsに代表されるweb会議システムは

そのツールとして今や大活躍しています。

 

 

 

当社の顧客の方はご存じかもしれませんが、

私は数年前からテレビ会議システムを導入し、

打ち合わせに利用してきました。

私が利用していたシステムは音声も映像も非常によいのですが、

外部との接続ができない、

セッティングに時間がかかるという弱点がありました。

 

 

 

今回、コロナを受けて新たにweb会議システムを導入しました。

web会議の積極的活用のご提案

また、zoom等も利用して毎日のように打ち合わせをするようになりました。

今まで、移動距離がものすごく多かったのですが、

テレビ会議やweb会議を積極的に導入し、

またこれまではweb会議に対して積極的でなかった顧客にも

お付き合いいただけるようになりました。

 

「何ら問題ないね」

「思ったよりずっといいね」

 

と多くの顧客に反応していただきましたし、

私もweb会議環境の向上のための設備投資をさらに行っていく予定です。

 

 

 

これから大々的に告知の予定ですが、

web会議を多用して全国の業者さまと密に連絡をしあえるような仕事に

シフトしていこうと思います。

「そもそも行く必要あったの?」という面も

これまでは往々にしてあったのではないかと感じてます。

もちろん、今後も必要なときには

日本一のフットワークで全国に訪問いたします。

 

 

 

もしも、これを読んでいるお客様で、

処分施設設置についてお考えの方がいましたら、

当事務所にご連絡いただければ、

私とweb会議で打ち合わせできるようにいたしますので、ご遠慮なくどうぞ。

 

 

 

本当は他にも書きたいことがあった気がしますが、

本日は一気に書き上げてしまいましたので、続きは次回に。

 

 

 

(河野)