「産廃業許可の更新期限が迫ってるんだけど…」

という電話を受けることがよくあります。

普通は、更新手続のご案内をするのですけど、ときどきそうでない方がいらっしゃいます。

本当に、目前に更新期限が迫っている場合。

たとえば、明日までとか、明後日までとか…

 

この場合、選択肢は2つです。

一つ目は、今回の産業廃棄物処理業の許可の更新をあきらめて、再度新規の産廃業許可を取得しなおす。

二つ目は、何がなんでも更新に間に合わせる。

どちらを選ぶべきか、について私の意見を書いてみます。

 

一つ目の、再度新規の許可を取りなおす場合のデメリット。

まず、産廃業許可が切れる。

許可が飛びますので、新規の許可を取得する間、無許可状態になります。

無許可の期間、当然ながら産業廃棄物収集運搬業者としての営業はできません。

また、収集運搬業の許可がないと参入できない仕事は、産廃を仮に運ばなくても、事実上受けることができない。

新規許可の取り直しは、結果的に、売上を下げる恐れがあります。

 

さらに、新規許可の取り直しには、以下のコストがかかります。

場合によっては、新規の産廃許可申請に関する講習会を受講しなおさなければいけない。

他都道府県の許可があり、自治体が定めた期間内に更新の講習を受けて修了証があれば、

新規の許可を更新の修了証で申請できる場合もありますが、たとえば岡山県の許可しか持っていない場合、

岡山県の許可を飛ばせば、新規で岡山県の許可を申請するためには、新規の講習会の再受講となります。

講習会も、普通産廃の場合、新規は2日行かなければなりませんが、更新の講習は1日で大丈夫です。

費用も、更新の講習会の方が安い。

講習会のみならず、申請手数料も新規81,000円に対し、更新73,000円(東京都除く)と、更新の方が費用が安いです。

 

そしてもう一つの大問題。

新規許可がいつでるのか…

岡山県や愛媛県のような、いつでも申請できて審査に期間のかからない自治体なら、無許可の期間は2~3か月で済むかもしれません。

しかし、東京都ならどうか…

東京都は、(あくまで私の予想ですが)おそらく日本中で最も産廃業許可申請件数の多い自治体で、

申請の予約自体が大変混み合っています。

そして、申請から許可証がでるまでの審査期間も、かなり長い。

一度産廃の許可を飛ばすと、下手すると半年以上も無許可期間ができることになってしまいます。

 

更新手続をせずに、新規の許可を再申請するメリットは、まず見受けられません。

また、逆に更新手続をした場合のデメリットも、慌ただしいスケジュール以外にはありません。

 

ということで、当事務所では、更新期限が迫っているお客さんには、原則として以下の方法を提案します。

「何が何でも、更新の申請に間に合わせましょう!」

もちろん、全てのケースで間に合うわけではありません。

一番の問題は、講習会未受講のケースです。

ただし、どのような事例でも、なんとか間に合わせる方法を考えますし、

その方法を提案できるのが産廃業許可申請のプロである我々です。

更新絶対無理だ、とあきらめる前に、まず私たちにご相談ください。

 

(河野)