産業廃棄物処理業(産業廃棄物収集運搬業と産業廃棄物処分業)の許可取得に当たって、問題になる要件の一つが、「経理的基礎」と言われるものです。

「経理的基礎の要件とは何か?」

これを一言でいうならば、「事業として経営が成り立ってるか?」です。

 

産業廃棄物に対して厳しい規制をした立法趣旨は、環境汚染防止。

事業をしながら排出する産業廃棄物。

ばれずに不法投棄を行えば、それが一番儲かります。

もちろん、不法投棄に対しては廃掃法で非常に重い罰則が科されています。

にもかかわらず、不法投棄はゼロになりません。

 

不法投棄などの廃掃法違反を犯した業者の多くが、実際は「金儲けをしよう…」と思っていたわけではありません。

本当は適正処理をしたかったけれども、経営状態が悪く、やむを得ず産業廃棄物を不法投棄してしまうという事例がかなり多いようです。

 

そこで、産業廃棄物収集運搬業の許可を出す自治体としては、

「申請者の経営状況は、産廃を扱っていいほどに成り立っているか?」をチェックするわけです。

これが、経理的基礎に関する要件。

 

ただし、経理的基礎に関する要件は、収集運搬業許可に関しては、そこまで厳しくは判定されていません。

経理的基礎に不安のある方は多いと思います。

①全く利益を出しておらず、赤字申告をしている。

②法人税・所得税の納付をしていない

③確定申告をしていない

④債務超過である

⑤税金の滞納がある

⑥経営実績がない

 

このような状況の方は、一度当事務所へご相談ください。

「産廃の許可が取れるのかどうか?」の判定のみならず、

現状では許可が取れないとして、「どうすれば許可がとれるのか?」までアドヴァイスいたします。

 

経理的基礎に関する要件に関して厳しい自治体として真っ先に浮かぶのは、愛知県です。

愛知県では、決算書などの数字によっては、産廃業許可申請が不許可になります。

すでに、許可を持っている業者であっても、5年後の更新の際に決算書の数字が悪ければ、更新は不許可です。

 

それから、愛知県と岐阜県では、中小企業診断士の作成する経営診断書を添付する機会がかなり多くなります。

経営診断書を求められるケースでは、逆に経営診断書があれば、ほとんどのケースで許可になります。

愛知県と岐阜県では、経営診断書を求められる水準が若干違います。

ですが、愛知県と岐阜県の両県で産廃業許可が必要であれば、愛知県と岐阜県は両方同時に申請する方が経営診断書が1回で済み、

産廃業許可申請にかかる費用が安くなります。

 

経営診断書は中小企業診断士が作成するのですが、廃棄物に関する知識がない中小企業診断士が経営診断書を作成すると、

事業計画の中に廃掃法上違法なことが書かれていることもしばしばあります。

経営診断書を作成するのは、廃棄物処理に関する知識に明るい中小企業診断士が無難です。

当事務所でも、経営診断書の作成は可能ですので、遠慮なくお問い合わせください。

愛知県や岐阜県に提出する経営診断書は、2008年より毎年沢山作ってきました。

 

愛知県や岐阜県のように経営診断書を求められないケースでも、経理的基礎に関して色々な書面を求められることがあります。

全ての自治体の経理的基礎に関する要件に対する判断や必要な書類を当事務所では用意できますので、

ご相談いただければと思います。

 

(河野)