「軽トラ1台しかないんですが、産廃の収集運搬の許可は取れるんですか?」

申し訳なさそうに、ときどき聞かれます。

産廃の収集運搬車というと、パッカーや深ダンプ、

アームロールがないといけないのかと思う方も多いのでしょうけど、

軽トラ1台でほとんどの品目の許可を取得できてしまいます。

 

うちは軽トラもない、軽バンが1台あるだけだ、という方もいますが、

これもかなりの品目の許可が取れてしまいます。

むしろ、パッカーしかないよりも、軽トラの方が許可品目は多く取得できるんです。

 

土砂禁の深ダンプやパッカーですと、たとえばがれきの収集運搬車としては使用できません。

パッカーと深ダンプしかないと仰る会社の場合、他に遊んでるような車がないか探してもらいます。

軽トラでも、軽バンでもあれば、品目も一気に増えます。

実務上は大変重宝するパッカーや深ダンプですが、

許可を取得する、ということだけを考えれば、用途が限られており、

あまり万能とは言えません。

 

もっとも、一般廃棄物収集運搬業の許可ですと、

パッカーか2トン以上のダンプがないと許可を出さない、と言われた自治体はあります。

 

軽トラで産廃の許可取得というのは、全く問題ないというのが結論です。

もちろん、特殊な品目だと話は変わってきますが。

 

それでは、普通車でも許可は取れるのか?

ある職人さんは、ステップワゴン(ホンダ)に工具を乗せて現場で仕事をしているらしく、

現場に入るのに、産廃の許可を取得するように、と元請から言われたとのことでした。

ステップワゴンの車検証には、「貨物」でばく「乗用」との記載があります。

さて、この車で許可を習得できるのでしょうか?

 

結論としては、許可を取得できる可能性はありますが、

必ず自治体に確認する必要があります。

そもそも、乗用車で産廃の収集運搬業なんて商売としては絶対に成り立たない話なので、

それでも許可が必要な旨をきちんと自治体に説明できる必要があるでしょう。

 

例えば、事業所から排出される乾電池や廃蛍光灯であれば、

量的には少量ですので、乗用車で許可を取る合理性はあると思います。

もちろん、乾電池だけを集めていては商売にならないでしょうけど、

オフィス向けに備品を納入する会社がついでに乾電池を回収するのではあれば、

乗用車で収集運搬の許可というのも合理性あると思います。

そもそも、備品を納入する車が乗用車なわけですから、

廃棄物を持って帰るのも乗用車なのは当然。

 

要は、乗用車での運搬に合理的な理由があれば、

許可は出ると考えてもらって構わないということです。

私の記憶にある限り、1県を除いては・・・

 

ほかにもあるのかもしれませんが、愛知県だけは、

車検証に最大積載量の記載のない車両での収集運搬を認めていません。

絶対にダメか、というのは、きちんと確認したことがないので、

何とも言えません、愛知県に聞いてみてください。

今のところ当事務所では、

乗用車での収集運搬の合理性を愛知県に説明しようと試みたことがない、

ということです。

 

(河野)