産業廃棄物収集運搬業の許可の有効期限は、原則5年です。

許可を初めて取得してから、あるいは前回の更新から5年で、

再度許可を更新しなければなりません。

運転免許と似たようなものですが、

許可更新の際の申請書は新規のときと似たようなものを作らないといけません。

 

若干の書類の省略ができるので、書類づくりとしては新規より楽になることが多いです。

省略できる書類は、自治体によって異なります。

一部の自治体では、省略を一切認めていないところもあります。

 

さて、許可更新を依頼になったお客さんから、ときどき以下のような依頼を受けます。

「品目に汚泥が入ってなかったから、ついでに追加しといて!」

 

はい、よろこんで!

と返事したいところなのですが、品目追加は許可更新のついでにできるようなものではないんです。

ほぼ同時に、は可能ですが、ついでに、は不可能。

 

更新許可申請は、今現在有している許可をそのままの条件で更新することの許可申請です。

品目の追加という条件の変更に伴い、更新とは別の許可申請が必要になるのです。

この手続が、変更許可申請。

 

変更許可申請は、更新の場合と異なり、一切の添付書類の省略が認められていないはずです。

手続き的には、新規許可申請とほぼ同じような申請になります。

 

更新許可申請とともに、変更許可申請をする場合は、申請書は2本立てになります。

さらに、役所で納める申請手数料も、普通産廃なら更新73,000円、変更許可71000円で、

合計144,000円かかってきます。

軽いお気持ちで、汚泥も加えといて、と言われますが、

手続き的にも費用的にも、2倍になってしまうことをご理解いただいています。

 

「そんなかかるんなら、新規で出しなおした方が安いんじゃないの?」

こうおっしゃる方は、実にスジがいい。

その通りなんです。

更新プラス変更許可で申請するよりは、廃止届出すなり、許可期限を徒過させるなりして、

新たな新規許可申請を、必要な品目を包含する形で申請する方が安いんです。

 

この方法は、更新プラス変更許可に換えるちょっとした裏技として、

当事務所の顧客にはその都度説明させていただいてます。

もちろん、費用的には新規のみが役所に収める申請手数料が81000円と安い。

しかし、そうもいかんよ、という事情も存在します。

迂闊に裏技に走ったら、失敗したら取り返しのつかないことになります。

それが以下の例。

 

①一時的な無許可期間が生じる

②更新の講習会の修了証しかもっておらず、なおかつ他都道府県の許可も持ってなかった

 

①について。

廃止届か許可切れが起きた後に、直ちに新規許可申請をしても、

許可は申請が受理されてから、たとえば2か月後に下ります。

その2か月間、従来許可を有していた品目さえも運べなくなってしまいます。

今現在進行形で産廃業許可を使用して仕事をしている業者には、

この裏技は使えない、ということです。

 

②について。

もともと、許可の更新を考えていた業者なら、

講習会は更新の講習を受講している可能性が高いと思います。

今ある許可を廃止して新たに新規の許可申請をしようと思えば、

本来であれば、新規の講習会を受講していなければなりません。

更新の講習会しか受講していないのであれば、

他都道府県に生きている産廃業の許可を持っていない限り、

新規の許可申請はできないのです。

 

このような場合は、更新プラス変更許可の2本立てで申請するしかないのです。

ところで、更新と変更許可の書類の順番(連続した別件申請になる)があるとして、

どちらを先に出すべきか、わかりますか?

 

この問題は、当事務所で書類を作っている職員でも、ときどき混乱するようです。

答えは、どっちが先でも一緒。

変更許可の効力は許可が出るまでは生じないので、

更新の書類に追加後の品目を表記しないように気を付けましょう。

 

(河野)