少し前の話にはなりますが、県外の行政指導の入った産業廃棄物の中間処理施設に呼ばれました。
中間処理場、積替保管施設などは、定期的に監督官庁からの検査が入ります。
抜き打ちでの検査も行われており、その際に違法ではないかとの指摘事項を受けることもあります。
また、指摘を超え、基準を満たさないなどの違法な可能性のある事業所に対しては、
行政指導、行政処分が行われることも…。
冒頭のケースは、行政指導が入って困った業者から私が呼ばれたものです。
現実の違法状態の解消と、行政への報告、場合によっては許可の変更などを行います。
行政指導を受けないように、常日頃から産業廃棄物処理業者は、
法令順守=コンプライアンスを重視していかなければなりません。
とはいえども、誤解を恐れずに申し上げると、
なかなか法的に完璧にならないのが、産業廃棄物処理業でもあります。
(もちろん、よくないことです。)
多くの廃棄物処理業の事業者には、
すすんで違法行為をしてでも不正に儲けようというような意思はありません。
みなさん、適法精神、順法精神を持って仕事をしてはいるのですが、
現実の仕事に追われながら、なかなかコンプライアンスが追いついていない、
というのが実態だと思います。
違法状態が軽微であるとはいえ、違法は違法。
もちろん、許可を受けた廃棄物処理業者としては、
速やかに違法状態を解消しなければなりません。
また、行政の立ち入りで違法の指摘を受けた以上は、
速やかな対応を怠れば、行政指導では済まずに、
営業停止や許可取消などの行政処分を受けることもありえます。
さらに、一般廃棄物処理業などで自治体の委託業務を受託しているような企業は、
委託業務に対する入札参加資格を喪う恐れもあります。
行政からの指導が入ってしまった事業者に対して、当事務所ではその対応をアドバイスしています。
現実的な対応へのアドバイスや、その際に必要な書類の作成を請け負っています。
違法状態を解消しながらも、経営的にも利益の残る方法なども、
実務的なアドバイスを行ってます。
今後も、産業廃棄物処理業に対する行政の監視監督は厳しくなる一方だと思います。
コンプライアンスをおろそかにしていては、企業として長期的な存続はできません。
かといって、法令を守ることだけが目的になってしまえば、
企業は利益を失い、倒産してしまいます。
法令を守りながらも、利益を追求できる仕組みづくりこそが、
これからの廃棄物処理業者に求められる課題だと思います。
(河野)