日本全国の産業廃棄物処理業の手続を代行していると言うと、

「具体的には、どんなところが大変なの?」

と聞かれます。

 

すでに手続を熟知している産廃の許可業者や、

同業他社である行政書士からの大変な視点と、

私の感じている大変な視点がやや異なっています。

 

それだけ、当事務所が専門特化して、

特殊な領域に足を踏み入れているからなのだ、

と、良いように解釈しておきますが、

今日はこの「大変さの認識の違い」について書いてみたいと思います。

 

皆さんからよく聞かれるのは、こんなことです。

 

①産廃は県をまたぐと書類の書き方が違ったり、ローカルルールがあって大変だよね

 

このローカルルールのことは、特に行政書士からよく聞かれます。

同じ産業廃棄物収集運搬業の許可申請書でありながら、

東京都の様式と福岡県の様式は全く異なります。

申請書は様式ごと(つまり都道府県ごと)に細かいルールが手引きとして示され、

なおかつ手引きに書ききれない暗黙のルールまで考えると、

本当に複雑になってしまいます。

 

しかし、この点に対しては、私は好意的に捉えています。

ローカルルールが複雑で大変だからこそ、

みなさんがプロである当事務所に書類作成を外注しようと考えてくれるのだ、と。

 

当事務所では、日本全国から産廃業許可申請を受注しており、

日本全国、どこの都道府県でも、たぶん地元行政書士に負けない申請件数があります。

2008年よりこれを続けており、

ローカルルールの蓄積がすでにありますので、

①の質問には「全然、大丈夫です」と答えています。

 

次に、もうひとつよく聞かれること。

②積替保管や中間処理の申請は、難しくて大変だよね

 

確かに、積替保管も準備から許可が出るまでに1年以上かかる自治体もあります。

中間処理になると、準備から許可まで1年越し2年越しは、当たり前の世界。

 

これに関しても、当事務所では産廃施設系に時間がかかるのは当たり前だ、

と割り切って考えていますし、

たしかに大変だとは思いますが、

誰かに「大変だよね?」と言われるニュアンスとは、異なっていると思います。

 

中間処理業の許可申請は、見積もりさえもそれなりに時間がかかるものです。

それを、積保なしの収集運搬業許可のように、

短期間に簡単に取れると思われると困りますが、

要件さえ満たせば、必ず許可が出るものです。

 

むしろ、中間処理も積替保管も、そういう意味で大変だからこそ、

当事務所に申請代理のご依頼をしていただけるわけですから、

手続が簡単になればありがたい、などとは思っていません。

 

そういえば、中間処理なんかは、業として受注した行政書士が、

到底手に負えない、と、当事務所に相談してくることがかなりあります。

全くお会いしたことのない方から、

「産廃の許可、手伝ってください」

と、このWEBサイトをみて電話かけていただくこともあります。

もちろん、喜んで同業者のお手伝いさせていただいてます。

 

今回の記事は、大変さの認識の違い、というテーマでした。

では、当事務所が何に苦労をしているのか。

それは、膨大なデータをどうやって扱うかという問題です。

 

「運搬車両の写真や車検証のデータ管理が大変なんですよ」

「許可期限と講習会受講のタイミングのよい通知が大変です」

などというのが当事務所の大変さで、

何百社、何千件の許可申請によって、この大変さが生まれてきます。

 

この問題を解決するには、それに合わせたシステムを作っていくしかありません。

とても、Excelの表で管理できるようなものではありませんし、

書類作成の片手間で管理できるものでもありません。

 

(河野)