私が日本全国に産廃業許可申請をしているのを知っている同業者(行政書士)から聞かれることが多い質問。

「それで、受理されなかったら、どうするんですか?」

許可が出ないとか、そんな話ではありません。

窓口が受理しない、という話です。

 

これは産業廃棄物処理業に限った話ではないのですが、

役所へ書類を持っていって、書類の不足などの不備があれば、書類を受け付けてもらえません。

行政手続法という法律や総務省のガイドラインがあるので、

本来は「書類を受理しない」という権限を都道府県が持ってるわけではないはずですが、

いまだにこの慣行はなくなっていません。

 

申請書類の中に添付書類が抜けているということがあります。

住民票がなかった、登記されていないことの証明書がなかった、講習会の修了証がなかった等々。

この場合、自治体は行政手続法に基づいて書類の補正を促さないといけないはずなのですが、

現実問題として、これらの書類が不足している状態で申請を受け付けてくれるところの方が少ないというのが、

私のイメージ。

 

全国の自治体の中には、公文書の不足はおろか、

書類の記載ミスがあっただけで、申請書を突き返すところもあります。

たとえば、「汚泥は無機汚泥に限る」という文言が「汚泥は有機汚泥に限る」になっていたとして、

窓口で有機汚泥に二重線をして、無機汚泥と書き直せば済むはずだと思いきや、

きちんとタイプした書類を持ってきてくれという場合。

 

この記事の冒頭に記載した同業者からの疑問。

「受理されなかったらどうするのか?」

というのは、許可申請手続をよく知りつくした行政書士らしい疑問です。

 

それに対する回答は、

「受理される書類を作る」

と答えています。

実際、現在当事務所が作る産業廃棄物処理業許可申請書類は、98%が一発で受理されています。

経験と、書類のチェックによって受理されるようにしています。

 

それでも受理されないとき。

可能性は十分にあります。

なお、受理しない=補正を認めない役所というのは、

当事務所にデータとして残していますので、

「○○県に申請を出すときは、まず窓口で突き返される」

というのは事前に覚悟しています。

そのような役所の対応は、データのみならず、職員の記憶にも残っていますが。

書類の再作成をして、その日かその翌日に、そのまま再申請しています。

 

しかし、飛行機で移動している場合、予定を動かせないことが多々あります。

翌日に別の県に申請などの予定が入っていることもあります。

ここが、日本全国の産廃業許可申請をするにあたっての一番大変なところでもあります。

 

不受理、今日明日のことにはならない、と分かった段階で、諦めて広島に帰ります。

後日、また飛行機や新幹線で出張。

出張費がかなりかさみますが、これは全国対応のコストだと割り切っています。

全申請案件の2%くらいは、出張費が2倍かかっても仕方ないということです。

そのことが、絶対に受理される書類を作ろうという当事務所のモチベーションにもつながってます。

 

(河野)