産業廃棄物収集運搬業の許可申請には、「新規」と「更新」があります。
「変更許可」というのもありますが、新規許可申請と更新許可申請が件数的には多い。
産業廃棄物収取運搬業の許可申請に「新規」と「更新」があるのと同様に、
産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会にも「新規」と「更新」の区分があります。
新規の許可申請をする場合に新規の講習を受講し、
更新の許可申請をする場合に更新の講習を受講しなければならないのかといえば、
実はそうとは限りません。
新規の講習会の修了証があれば、更新の産廃業許可申請は当然可能です。
しかし、ここから先が複雑。
①更新の講習会修了証で、新規の産廃業許可申請が可能か?
②更新の講習会修了証で、更新の産廃業許可申請が可能か?
この二つが、○にも×にもなりうるという点が、講習会の難しさなんです。
①で、新規の産業廃棄物収集運搬業の許可申請を行う場合は、原則として新規の許可申請を受講すべきです。
しかし、更新の講習会の受講で足る場合があります。
それは、すでに他県で産業廃棄物収集運搬業の許可を持っている場合です。
たとえば、兵庫県の収集運搬業の許可を持っているA社が、このたび岡山県の収集運搬業の許可を取得しようとします。
岡山県への申請は新規許可ですが、すでに兵庫県で許可を持っていますので、修了証は更新でも構いません。
新規の講習と更新の講習では、新規が2日かかり更新が1日で済むので、更新の方が楽です。
受講料も、新規の講習が約3万円なのに対して、更新の講習が約2万円です。
なので、更新の講習で済むならば更新を受講したいところ。
②の、更新の講習を受講しているにも関わらず更新の申請ができない場合とは、どのような場合か。
これは、申請する自治体によって扱いが違うのですが、
講習会修了者は、一度必ず新規講習を受けないといけないというルールになっている場合があります。
これまで、社長が新規の講習を受けてきたが、今回の更新から専務が講習を受けるという場合、
許可申請は更新ですが、これまでに一度も新規の講習会を受講したことがないであろう専務の講習は、
更新では足らず、新規を請ける必要がある場合がある、ということです。
この扱いは、自治体によって異なります。
しっかりと確認して更新の講習を受講しなければならないのですが、
残念ながら、ほとんどの産廃業者が、このことを知らないようです。
他にも、新規と更新では、修了証の有効期間が異なる場合があります。
これも、自治体によって扱いが違うので、要注意。
大阪府は、廃棄物管理士という特殊な資格で許可の更新を認めています。
講習会も1日で済み、受講料も約1万円と安く、大阪府の許可の更新だけならば、実は一番お得です。
産業廃棄物収集運搬業の許可申請を毎日のようにしている私でも、
講習会はどちらを受講すべきかは、きちんと調べないと答えられないケースが多いです。
簡単そうに思えますが、簡単な問題ではありません。
(河野)