《よくある質問》
収集運搬車両は借上車両でも許可を取得できますか?
《回答》
申請先自治体ごとに事情が異なりますが、契約書または使用承諾書を添付することで、
借上車両での収集運搬を認める自治体が多いです。
ただし、東京都や京都府など、借上車両は一切認めない自治体もありますので、
まずは当事務所へ個別にお問い合わせください。
また、営業ナンバー(緑や黄)の借上車両は法律上認められません。
《詳しい解説》
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する場合、産業廃棄物を運搬するための車両や船舶がなければいけません。
船舶の問題は非常に難しいので別の機会に譲り、
ここでは車両に絞って話をします。
運搬車両は、自社所有の車両か、他人所有の車両か、どちらかしかありえないはずです。
しかし、その間にいろいろな形態があるので、ここでは細かく類型化しながら解説します。
①狭義の自社所有とは、車両の所有者に申請者が登録されている場合です。
狭義の自社所有の場合は、収集運搬車両として問題なく登録できます。
②広義の自社所有とは、車両の使用者に申請者が登録されている場合にまで自社所有概念を広げます。
この場合、所有者には、リース会社やディーラーが記載されています。
所有権留保という担保形態で、この場合、真の所有者は使用者なのか所有者なのか、
結構難しいんです。
日本中のほとんどの自治体で、使用権限があるのは使用者であると考えています。
なので、使用者欄が自社であれば所有者の承諾なしにリース車両を登録することができます。
しかし、例外的に、リース会社の車両の使用承諾を求める自治体も存在します。
③借上車両の場合とは、所有者及び使用者に申請者が記載されていないため、
車両の賃貸借契約または使用貸借契約を所有者等と締結し、車両を使用する場合です。
借上車両の登録を認める自治体には、車両賃貸借契約書または使用貸借契約、使用承諾書等々を添付し、
車輌の使用権限を証明することで許可申請を行います。
ただし、東京都、京都府などの自治体では、借上車両での申請はほぼ、認めていません。
(実は例外中の例外はありますが、これは借上車両でも登録できるという意味ではありません。)
株式会社Aが申請者、A社の代表取締役Bが車両所有者という事例は非常に多いです。
法人成のケースなどは、当初はよくある話です。
この場合、BからA社への車両賃貸借を認めてくれないと、ちょっと困ります。
徳島県では借上車両での登録を原則認めていませんが、
会社の代表者が車両所有者の場合のみ例外的に認めています。
しかし、東京都や京都府では、厳格に解釈され、BからA社への車両賃貸が認められません。
この場合、名義変更が必要です。
名義変更のデメリットは、手間がかかることと、車両の任意保険料が上がってしまうことです。
最後に、営業ナンバー(緑ナンバーや黄色ナンバー)の車両は、車両の貸し借りがそもそも禁止されています。
産業廃棄物収集運搬業許可申請に、他社名義の営業ナンバーの車両と車両借上契約書を添付しても、
それは違法なことをする書類ですので、申請が受理されることはないと思います。
(河野)