前回まで2回にわたって、収集運搬業の許可を1日でも早く取得する具体的な方法に関して述べてきました。

1回目は、許可を急ぐということは申請受理を急ぐということ、

そして、鬼門となりうる講習会修了証の問題と、その解決法について示しました。

2回目は、審査期間そのものを短縮させる可能性のある先行許可制度について詳細に解説。

そして今回、3回目は、とにかく早く受理されるための方法について書いてみたいと思います。

 

1日も早く、産廃収集運搬業の許可が欲しい。

そのためにできる具体的な方法論を、このシリーズで語っています。

今回の方法は、極めて技巧的で、いかにも行政書士が思いつきそうな手法ではあるのですが、

まずは、結論から書いてみます。

 

許可を急ぐときの鉄則

車両は1台で申請せよ!

 

許可申請書を作成する際に、作成作業に時間がかかるところは色々とあると思います。

その中のひとつに、運搬車両の写真という問題があります。

収集運搬車両として登録する車両に関しては、

車両の写真を申請書に添付しなければなりません。

この写真を揃えるのが、意外とやっかいなものなんです。

 

車両が現在遠方を走っていて撮影できない、とか、

車両に許可表示のステッカーが貼られていないとか、

この写真撮影のためにかかる時間というのは、思ったよりも多いのです。

本社駐車場にいつも置いている3台くらいのダンプで申請するのであれば、

撮影もすぐに終わるのでしょうが、

100台を超える運搬車両を申請する場合には、それの準備だけで申請が遅れてしまうでしょう。

それに、100台も運搬車両の台数があれば、そのうち何台かは申請時に車検が切れていたりするものです。

 

そこで、私が推奨している方法。

ともかく、車両は1台で申請して、許可が出るまでの間にじっくり車両写真等の準備を進めましょう、

というやり方。

 

100台の車両のうち、まず1台のみを登録。

許可が出たら、変更届という手続きで残りの99台を追加すればいいのです。

こうすることで、撮影にかかる時間を短縮できます。

 

ただし、一点だけ注意点があります。

台数を絞ることによって、運搬品目が削られることがないように気を付けなければいけません。

 

たとえば、1台だけで申請しようとしている車両が土砂禁車両であれば、

申請時に「がれき類」を品目に加えることができません。

許可が出た後に99の車両を追加するのは変更届でできますのですぐですが、

1の品目を追加することは変更届ではできないのです。

 

許可が出た後にがれき類を増やすには、再度変更許可申請という申請手続を経て、

審査後に新たな許可が出ます。

とても時間のかかることですので、当初の申請の際に、

運搬したい品目を全てカバーできる車両を登録しなければいけません。

 

上記に述べた方法は、新規許可申請→変更届という二段構えの手続です。

変更届を出すのが二度手間になって面倒くさいという方は、

この記事の表題にどうかもう一度目をやってください。

1日も早く許可を取得するために、手段を択ばない、というのがこの記事の趣旨です。

目的達成のためには労を惜しまないのが、プロである行政書士の許可申請です。

 

次に、「登記待ち」で申請が遅れそうな場合についても語っておきましょう。

登記待ちの中で、一番多いのは、目的変更待ちではないかと思います。

一部の自治体では、会社の定款の目的の中に「産業廃棄物収集運搬業」等の文言を求められることがあります。

この場合、株主総会を開き、目的の中に産業廃棄物収集運搬業を追加する手続きが必要になります。

目的変更は、登記申請から謄本が出来上がるまでに数日~1週間ちょいかかると思います。

 

この期間を待って、目的変更後の謄本を添付してから許可申請をする人がほとんどですが、

急いでいるなら、旧会社謄本と目的変更の株主総会議事録を添付して、ともかく申請してみましょう。

後日、新しい会社謄本への差し替えは求められるでしょうが、

多くの自治体はこの状態で申請を受理するものと思われます。

 

今回の記事では、ともかく申請書を受理させる急ぐための方法に関して記載してみました。

車両の写真や車検証を揃えるまで、申請を待たない、

登記が完了するまで、申請を待たない。

ともかく、不完全に見える申請でも、窓口に書類を提出し、

後々に変更届や補正で対応しましょう、というのが今回のお話でした。

 

(河野)