「1日も早く収集運搬業許可を取得するための方法論」シリーズを続けてきましたが、

今回が最終回です。

書類作りに関してのノウハウは書かずに、書類作成以外の面に絞り、

1日も早く許可が下りるための方法論について、

産廃業許可申請を専門にしている行政書士の目線で語ってみました。

 

さて、今回は、申請に早く行く、ということについて。

申請先窓口に書類を持っていったら、即、審査を開始してくれるかといえば、

そういう自治体もありますし、そうでない自治体もあるのです。

 

たとえば、大阪府は大変システマティックな申請窓口でして、

いつ申請書を持っていっても、すぐに書類の審査に入ってくれます。

1日も早く産廃の許可を取りたいのであれば、

今すぐに大阪府の窓口に許可申請書を持っていくべきです。

 

ところが、自治体によっては、受理に制限があるところもあります。

ある県では、申請可能な曜日があらかじめ決まっています。

申請するには、その曜日に持参しなければならないのです。

(行政手続として、正しいのかは疑問が残りますが…)

 

さらに、予約制の窓口もあります。

この予約制窓口というのが困ったもので、申請までにとても待たされることがあるのです。

 

その代表例が、神奈川県、千葉県、東京都、茨城県。(2017年1月現在)

ちょっと前までは埼玉県もこの中に入っていましたが、現在は混雑が解消しています。

これらの自治体は、申請しようと思っても、申請の予約に1カ月以上かかる可能性があります。

 

今すぐに許可を取得したいのに、申請まで1カ月待たされるということになるのです。

当然、許可が出るまでも1カ月遅れることになります。

急いでいるのに申請の順番待ち、という状態。

 

この申請待ちの期間を削減する方法があります。

それは、許可申請をすることを決めたら、

真っ先に許可申請の予約をすることなんです。

 

書類ができていなくても、講習会の修了証が出ていなくても、

さらには講習会の受講日がまだでも、先に申請日の予約を押さえておくことが必要です。

予約を押さえて、それからゆっくり講習会を受講し、申請書を作成したらいいのです。

 

まず講習会を受講して修了証を、次に申請書類を作成して、

最後に申請に行こうと役所に予約、

なんて順を追って準備を進めていると、

最後の最後、申請の順番待ちで予定が大きく狂ってしまいます。

真っ先に申請の予約を押さえましょう。

 

気を付けないといけないのが、講習会の受講後、講習会修了証が出るまでの期間を計算しておかないと、

申請予約日に講習会がまだ届いていない、ということになります。

講習会を受講後、およそ2週間で修了証が到達しますので、

予約は講習会後2週間以降の日を指定してください。

 

なお、受講証明や合格証明で申請の受理が可能かどうか、という問題がありますが、

おそらく新規の場合は、合格証明書等では、許可申請は受け付けてもらえないのではないかと思います。

逆に更新の場合は、受講証明書や合格証明書で申請を受け付けてくれる自治体もありますので、

事前に窓口に問い合わせてください。

 

予約制よりもさらに申請が遅れる可能性があるのが、事前審査制です。

事前審査制を取っているのが、香川県と滋賀県。

それ以外に、インフォーマルな形での事前審査を取り入れている自治体もあります。

 

これらの自治体は、事前協議書を提出し、

自治体より事前協議が終了した旨の連絡があり次第、本申請になります。

香川県では、現在事前協議から許可が出るまでの期間が約2カ月程度となっており、

通常の申請と、許可が出るまでの時間がほとんど変わりません。

 

ところが、滋賀県(滋賀県庁)では現在(2016年12月)、

事前協議から事前協議終了の連絡までに1カ月以上かかっており、

その後の本申請から許可が出るまでも標準審査期間を要すると説明をしています。

事前協議制によって、標準処理期間が1カ月以上伸ばされるということであり、

滋賀県の許可を急いで取得したい申請者にとっては、大きな不利益となっております。

 

滋賀県は、1~2年前までは、事前協議から本申請までは2週間程度しかかからず、

本申請から許可までの日数も比較的早い自治体だったのですが、

最近は非常に時間がかかっているという印象です。

事前協議制の自治体で早く申請を受理してもらうには、

「よく担当者に相談してみる」ことをおすすめします。

 

また、現在申請窓口が混んでいる自治体や事前協議制を導入している自治体を上記に挙げていますが、

これは変更になることもありますので、申請前、というか申請を決意した瞬間に、

その都度、役所に確認をしてください。

 

1日も早く収集運搬業許可を取得する方法ということで、

4回にわたって記事を書いてきました。

実際、私が行政書士として、

最短で許可を取得するためにどのような方法を取っているのかの実例について、

最後にお話いたします。

 

1日も早く許可を取得したい、そんな超特急案件の受注があれば、

当事務所では誰かが真っ先に出張で現地に入り、申請に必要な情報を収集します。

申請に必要な情報を集めてすぐに事務所に送り、

すぐにそれを同時進行で書類にしていきます。

最後に事務所から出張先現地にデータを送り、出張先で申請書類一式を作成します。

さらに急ぐ場合は、現地の情報収集に2人、3人を投入し、

書類作成にも2人、3人と投入します。

 

1日でも早く許可を取得するための方法論は、最後は人海戦術に落ち着きます。

 

(河野)