今年(2017年)で15年目になる私の行政書士稼業。
15年も経つと、業界の様相も変わってきました。
インターネットはより普及し、行政書士開業者の質も優秀になってきたと思います。
私は、地元同業者とのお付き合いをせずに、長らく事務所経営をしてきました。
先輩行政書士に可愛がってもらうと、好きなように商売できなくなってしまう、
という「業界のしがらみ」を作ってしまいそうで。
それが嫌で、業界付き合い一切なしでやってきました。
当事務所は、広島では、
行政書士業を「大きくやっている事務所」のひとつとして、
認識していただけるようになりました。
産廃業に特化して、日本全国に市場を拡大した結果だと思います。
すると、2年程前より、全国的に有名な行政書士とお会いする機会が出てきました。
また、全国のいろんな行政書士事務所を見学する機会もできました。
そして、私よりも後から開業した方や、私よりも若い方の中で、
野心に燃える行政書士の開業者ともお会いする機会ができました。
勢いに圧倒されそうな情熱的な方が、全国にいらっしゃいます。
私は産廃業に特化して、日本全国を商圏とすることで、
全国のお客さんと出会えたことに加えて、
全国の同業者に出会えたことを、今はとても感謝しています。
こういった方々とは、「しがらみ」なしで付き合いできます。
どの業界でもありがちなことなのですが、
同業者同士が集まると、一般的に次のような思考に陥りがちです。
①市場競争(価格競争)を過熱させないための、同業者同士の相互抑制
②既得権益を守るための政治活動
行政書士業界の実際がどうなのかは私はよく知りませんが、
私は少なくとも、これらのしがらみには一切かかわりたくないと思って今日まできました。
(当サイトの自己紹介に書いている通り、私は古典派経済学に影響されてます)
インターネットは、行政書士業界の価格競争を過熱させたかもしれません。
それを「怪しからん!」と嘆くベテラン行政書士の声を聞くたびに、
「それは違うんでないの??」
と私は感じています。(決して本人の前では、声には出しませんが・・・)
商品・サービスの供給者同志が、価格競争を抑制しようとすると、
その業界自体が必ず衰退します。
私も事業者として辛いところではありますが、
価格競争は受け入れなければなりません。
しかし、市場競争=価格競争だというのはあまりに短絡的です。
そもそも、価格競争を嘆く行政書士は、
顧客の姿が見えていないんではないかと私は思っています。
顧客は、行政書士を儲けさせるために存在しているのではありません。
行政書士制度や旧きよき商慣習を守るために存在しているわけでもありません。
私たち行政書士が、顧客に価値を提供するために存在しているのです。
行政書士が、顧客は自分たちのために存在していると思ってるとしたら、
それは勘違いはなはだしいと私は思ってます。
同業者で団結して、「旧きよきもの」を守ることにリソースを割くよりも、
いかにして顧客価値を提供するか、
どうやって顧客を満足させるか、
に注力すべきだと私は信じてます。
価格競争の過熱というのも、今一つ私には理解できません。
そもそも、当事務所の顧客である産廃業許可を取得するような顧客は、
安いものに飛びつく、というタイプではありません。
企業の許認可とスーパーの特売の玉子を同列に扱うような論調に、私はうんざり。
もっと大切なもの(=事業における利益や安心)を、
「企業努力により生み出された適正価格」
で市場に提供していきたいと私は考えています。
(河野)