当事務所では、産業廃棄物収集運搬業許可申請の報酬金額に関して、
更新の料金を新規の8割に設定しています。
更新は新規よりも2割安い、という意味です。
当事務所では2008年に産廃業務に進出して以来、
ずっとこの価格設定でやっています。
「なぜ、更新は新規よりも2割安いのか?」
そこに明確な理由は、実はありません。
当時、更新よりも新規の方が安いというのが、
行政書士事務所の一般的なスタイルでしたので、
当事務所もそれに合わせただけでした。
ところが、最近感じるのは、
「新規」よりも「更新」の方が仕事としては、
実は大変なのではないかなということ。
更新の許可申請書は、添付書類を省略できることが多いです。
添付書類の省略がなぜ可能かというと、
前回の新規または更新の際に提出した書類と変化がなく、
新たに提出する意味がないということ。
これはすなわち、更新申請は新規申請(または前回の更新申請)を前提としている、
ということなんです。
当事務所は、申請者に代わって許可申請書類を作成しています。
前回の申請も当事務所で請けていれば、当時の情報も残っています。
しかし、今回の更新から受任した、という場合、
前回の申請書類の情報を知るには、
申請者が保管しているはずの申請書の副本を見るしかありません。
申請者が申請書副本を保管してくれているといいのですが、
特に本人申請した申請書の副本は、結構な確率で紛失していたりします。
前回の申請内容に矛盾しないように申請書類を作らないといけません。
ところが、申請書副本の紛失状態で前回の申請に矛盾ないように書類を作るのは、
何の手がかりもなく連続性のある書類を作るということでして、
実は、とても難易度が高いことなのです。
次に、更新申請は新規申請とひとつ大きな違いがあります。
更新申請にはあるけれど、新規申請にはないもの。
それは、「更新期限」。
当事務所で許認可を一括管理しているような企業であれば、
更新期限の数カ月前から書類作成の準備を進めることも可能です。
ところが、更新期限直前の受注が結構多いのです。
そうなると、更新申請はいつも、
更新期限との戦いになるのです。
当事務所には、更新期限に2つの意味があります。
ひとつは、更新期日に申請書作成が間に合うか?
もう一つが、更新期日までに更新申請に行けるか?
更新期日までに更新申請が出なかった場合、
許可は失効してしまいます。
新規の許可申請が申請予定日よりも1日遅れたとしても、
おそらくは、大した問題にはなりません。
ところが、更新の申請を期日より1日遅らせてしまうと、
許可がなくなってしまい、取り返しがつかないことに。
もちろんそうならないように、
当事務所でも許可期限の管理には非常に気を使っています。
たしかに書類作成の手間は、過去の副本が揃っておれば、
更新の方が手間はかからないかもしれません。
しかし、過去の副本が紛失により存在しなかったり、
許可期限が近かったり、
そもそも許可期限が存在しているというリスクを考慮すると、
新規よりも更新の方が大変な仕事なんではないかな、と私は思っています。
(河野)