土砂禁ダンプと収集運搬
※本記事は、2016年3月2日の記事を最新情報を基に2017年3月22日に更新したものです
産業廃棄物を収集運搬するには、トラックやパッカーなどの運搬車両が必ず必要になります。
産廃の品目の性状によって、適した運搬方法があり、
車両によっては運搬できない品目というのもあります。
その代表例が、ダンプの土砂禁車両。
今回は、土砂禁車両で運搬できない品目と、
許可申請時における対応法について解説します。
この記事の目次 |
ダンプが土砂禁車両かどうかは車検証に記載されている
土砂禁ダンプの車検証には、必ず「土砂等運搬禁止車両」という表示がされています。
土砂禁ダンプは基本的に、荷台の深いものをいいます。
この土砂禁ダンプですが、土砂の運搬の有無だけでなく、
産業廃棄物の収集運搬車両としての使用に大きくかかわってくる問題があります。
「うちは土砂なんか運ばないから、関係ないわ」
なんて思っていると、ダンプ購入後に痛い目にをみるかもしれません。
他に、塵芥車(パッカー車)などでも土砂は運搬できませんが、
土砂禁の表示はありません。
土砂禁車両では運搬できない産廃品目がある
車検証に「土砂運搬禁止」の記載がされたいわゆる土砂禁ダンプは、
産業廃棄物の収集運搬車両として登録可能ですが、
一部の品目を運搬できない場合があります。
具体的には、
汚泥、鉱さい、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類等の品目につき、
運搬の制限がかかってしまいます。
これらの品目は、土砂と同様とみなし、
土砂禁車両では運べないという扱いになります。
深バチ(深ダンプ)での収集運搬は要注意
一般に、建廃等を運ぶダンプには、深バチ(深ダンプ)が多いかと思います。
深ダンプの場合、必ず土砂禁になっているでしょうから、
上記の品目は収集運搬できないことを注意してください。
また、収集運搬業の収取運搬車両として登録することが分かっている場合は、
必ず土砂禁車両で今後の問題が起きないかどうかを確認してください。
ダンプ屋さんでも、土砂禁と収集運搬業許可の関係は分かっていないことがほとんどです。
ダンプ購入は高い買い物ですから、事前調査をしっかりしておきましょう。
土砂禁車両のみの申請では許可取得品目が減ってしまう
自社に土砂禁車両しかないため、
汚泥やガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類を除外して産廃業許可の申請をするケースが見られます。
しかし、この申請はちょっともったいないように感じます。
建廃を収集運搬する場合、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類等は実務上でも極めて重要な品目です。
できることならば、これらの品目を同時に取得しておきたい。
深ダンプで運ぶことはできませんが、いざ仕事が入れば、産廃業許可さえあれば、
車を入手して変更届を出したら即、仕事ができます。
どうすれば幅広い品目の収集運搬業許可を取得できるか
では、土砂禁車両しかないのに、
どうやってガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類の許可を取得するのか。
結論からいえば、別に車両を用意するしかありません。
ただし、軽トラックや軽バンでも一台あれば、
ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類の品目の許可は取得できます。
意外と、会社に遊んでいる軽があったりするものです。
一台加えることで、土砂禁車両では取得できない上記重要品目の許可まで取得できます。
後から増車して品目を増やすには変更許可申請が必要
土砂禁車両のみで一旦許可を取得して、
後に増車により品目を増やそうと思えば、
変更許可申請が必要になり時間も費用もかかってしまいます。
また、変更許可は申請から許可証交付までに平均2カ月程度の期間を要します。
軽トラでも軽バンでもなんでもいいので、予め1台追加して広い品目で許可を取得しておけば、
もし土砂禁でないダンプを増車しても、
変更許可ではなく、変更届のみで収集運搬が即日可能になります。
この点でも、あらかじめ車両を準備して広い品目で許可申請しておけば、
突発的な収集運搬の依頼に対しても、有利になります。
(河野)
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