産業廃棄物収集運搬業の許可申請は、都道府県等の担当窓口に行います。
多くの場合、窓口に行く必要があり、私は年間に200回程度、申請のために窓口に行っています。
当事務所で一番多く申請をしているのは、補助者ではなく私(行政書士資格者)です。
窓口で、よく本人申請をしている方をお見かけします。
本人申請は、許可が欲しい申請者本人が自分で役所へ行き、申請書類を提出することですが、
ときどきとんでもないことをぽろっと喋る方をお見受けします。
今まで聞いた中で、一番びっくりしたもの。
「もうすでに運んでるんだけど・・・」
すでに産廃を運んでいるから、産廃許可を取らなければいけないというのは変な話です。
許可があるから、はじめて産廃を業として運べるわけです。
他にも、こういうのもありました。
「一般家庭から出るゴミを運搬したい」
一般家庭から排出される廃棄物は、産業廃棄物ではなく一般廃棄物です。
産業廃棄物処理業の許可があったとしても、一般廃棄物はほぼ運べません。
そんなことは百も承知の上で、産業廃棄物の許可を取得する業者も当然いることでしょうが、
「産業廃棄物の収集運搬業許可を取得して、一般廃棄物を収集運搬する」
と役所の窓口で話すのは困ります。
「有価物」の概念が違うケースもあります。
有価物は、適正な処理をして価値があるのが前提なので、
最終的に不法投棄を助長するような方法、たとえば家電4品目を東南アジアへ輸出するなどは、
仮に「売れた」としても、その方法では有価物にはなりえません。
業種指定も、本人申請で勘違いしている人が多いです。
事務所から排出される木製の棚は、解体除去工事から排出されない限り、
産廃にはなりません。
木くずは、業種指定が入っているからです。
事業計画は要注意です。
本人申請で一番困るのは、違法な計画を作ってしまったせいで、
窓口でその指摘を受けることです。
(河野)