廃棄物処理に関する許可申請手続を専門にしている行政書士の河野です。
普通産廃の収集運搬業許可申請において、分析表の添付を求められる品目があります。
分析表とは、産業廃棄物のサンプルを分析機関が分析したものです。
なぜ、普通産廃なのに、分析表を添付しないといけないのか。
その理由は、おそらく、当該廃棄物が特別管理産業廃棄物(特管)に該当しないことを証明するためだと思います。
廃油であれば、揮発性の程度により、特別管理産業廃棄物に該当することがあります。
廃酸であれば、pHが2.5以下で、強酸になり、特別管理産業廃棄物になります。
逆に、pHが12.5以上で、強アルカリであり、特別管理産業廃棄物の廃アルカリになります。
役所側は、審査の段階で、
当該廃棄物が本当に普通産廃の枠内なのか?
特管に該当しないのであろうか?
を事業計画から確認するために、分析表を求めていると思われます。
分析表は、自治体によって求めたり求められなかったりします。
分析表を求める自治体であっても、事業計画の中の排出工程より、
明らかに普通産廃しか出ないであろう場合は、分析を省略できることがあります。
また、排出される廃棄物がはっきりと確定される場合、
分析表にかえて、MSDAで申請が認められる場合もよくあります。
なお、分析表が必要になる場合は、私の経験では2種類あります。
①運搬計画が曖昧だけど、できるだけ多くの品目をカバーしたい場合
②運搬計画が明確で、どうしてもその品目が必要な場合
当事務所では。①の場合、分析表の手配をお願いしています。
しかし、現実に計画の曖昧な廃棄物の分析表を用意して事業計画を作成するのはなかなか大変です。
一方、②の場合は、簡単に分析表が揃います。
当然のことながら、排出事業者や処分業者が分析表を持っていますので、それのコピーをいただいています。
産廃業許可を取得しようと思ったとき、思わぬ費用がかさんでしまう、その一つの理由が、分析表です。
(河野)