産廃業許可の更新の準備時期について

 

ちょっと問題を出してみます。

産業廃棄物収集運搬業の許可更新の申請は、

更新期限のどれくらい前から準備すべきなのでしょうか?

 

解答1 許可期限当日まで大丈夫

解答2 許可期限の2~3カ月前

解答3 許可期限の3~4カ月前

解答4 許可期限の半年~1年前

 

どれが正解でしょうか?

正解は・・・

どれも正解です。

 

どういうことか、解説しますね。

この記事の目次

  1. 期限当日までに更新申請が受理されれば許可更新可能
  2. 許可期限の2~3ヵ月前からの更新申請書類の作成準備開始
  3. 少なくとも3~4ヶ月前からの更新準備が必要になる事例
  4. 半年~1年前から許可期限更新の準備を開始すべき

 

 

期限当日までに更新申請が受理されれば許可更新可能

「解答1」期限当日までが正解の理由

産業廃棄物収集運搬業の許可は、許可日から原則として5年で許可期限を迎えます。

この許可期限日までに、更新許可申請という手続きをしておかないと、

許可は期限をもって失効することになります。

 

運転免許の更新をイメージしてください。

ゴールド免許だと、5年おきに更新しなければなりません。

更新日までに更新の手続きをしておかないと、運転免許も失効してしまいますよね?

それと同じことが、産廃の許可でも起きるということです。

 

ここで大事なのは、許可期限当日に申請をしさえすれば、

許可は失効しないということなのです。

解答1が正解の理由は、許可期限ギリギリでも、

更新申請さえ間に合えば、許可は更新できるということなのです。

 

しかし、運転免許との大きな違いは、産廃業の許可申請は、

更新の際でもかなりの量の添付書類が必要だ、ということ。

添付書類は、自分で作らないといけないものもありますし、

コピーを取らなければならないもの、役所や銀行に発行してもらわなければならないもの、

様々なものがあります。

許可期限の当日に準備していては、きっと間に合わないでしょう。

 

許可期限の2~3ヵ月前からの更新申請書類の作成準備開始

「解答2」2~3ヵ月前が正解の理由

許可期限のギリギリに更新申請をしても、許可は更新できるというのは、

上記のとおりです。

では、更新申請はいつからできるようになるのか?

 

たとえば、許可の期限が1年も先なのに、前もって更新申請することはできるのでしょうか?

これは、できません。

更新期限が迫ってから、申請書類を出してください、と窓口で言われます。

 

この、更新期限が迫って、申請書を出してもOKの状態になるのが、

許可期限の2~3ヶ月前なのです。

つまり、この2~3ヶ月というのが、産廃業許可の更新月なのです。

必ずこの期間の間に、更新申請をしなければなりません。

 

ところで、2~3ヶ月と幅を持たせているのはどういうことかといいますと、

役所によって取り扱いが異なるんです。

2ヵ月前という役所もあれば、3ヵ月前という役所もあります。

事前に、いつから更新申請できるかを確認しておきましょう。

 

なお、2~3ヶ月前に準備を開始すれば、少々のことがあろうと、

更新申請の書類作成や添付書類の収集は、時間的には間に合います。

 

私たち行政書士にとっては、一番依頼をいただく時期が、

この許可期限の2~3ヵ月前ということになります。

 

なので、解答2が正解なのです。

ただひとつの場合を除いては・・・

 

少なくとも3~4ヶ月前からの更新準備が必要になる事例

「解答3」3~4ヶ月前が正解の理由

上記の解答2、2~3ヵ月前からの準備では間に合わないという事例があります。

しかも、これが許可期限の時期によっては、結構頻繁に起こりうるのです。

せめて、あと1ヶ月前に準備を開始していれば…

 

それがどういう事例かというと、「講習会未受講の場合」です。

産廃業の許可を更新するためには、講習会を受講して、

原則として修了証を取得していなければいけません。

 

許可期限の2~3ヶ月前に更新の準備を開始した時に、

講習会の修了証を有しているかが大きな問題となります。

 

というのも、時期によってはこれから受講できる講習会が存在しない、

という結構恐ろしい事態が生じるのです。

あるいは、はるか遠くの県に受講に行かないといけなかったり、

更新の講習で足りるはずなのに新規の講習(2日間、科目多い)を受ける必要が出たり。

 

解答2の2~3ヵ月前からの準備というのは、

講習会修了証をお持ちの許可業者であれば、いいタイミングかもしれません。

 

しかし、講習会の受講、修了証の取得から申請までを考えると、

最低でももう1ヶ月早く準備が必要になるでしょう。

ということで、解答3の3~4ヶ月前から準備、というのが正解になります。

 

実は、講習会開催回数の少ない地方在住者に至っては、

もっと早くから準備を進めておくべきなのです。

 

半年~1年前から許可期限更新の準備を開始すべき

解答4 半年~1年前が正解の理由

これまでに、講習会の受講が更新許可申請においていかに重要かを書いてきました。

起業としての理想は、更新期限が近くなってから講習会を申し込むのではなく、

もっと早い時期から準備しておくのが理想です。

 

とくに、講習会の開催が少ない地方都市在住者の場合は、

年に1回しか開催されない更新講習を逃すことが、

時間的にも費用的にも損失になってしまいます。

 

更新期限を迎える年度(年ではなく年度です)の始まりに、

どの講習会を受講するのかをしっかりと計画を立てて、

年度替わり早々に、講習会受講の申し込みまで済ませておくべきです。

 

たとえば、当事務所では、その年度に許可期限を迎える顧客には、

早い時期にまず、講習会受講のご案内を差し上げています。

企業内で許可を管理する場合でも、

毎年度替わりに講習会受講の必要性を必ず確認すべきでしょう。

 

解答4の半年~1年前から準備を始めれば、

講習会を受講できないということはまずありえませんので、これが正解です。

 

ここまで読んでいただいた方に、この問題の本当の解答をお伝えします。

解答 許可更新の申請準備は、許可を取得した瞬間から始まっています

 

(河野)