産業廃棄物と一般廃棄物の区別はなかなか難しいです。

質問を受けるたびに、「うーん…。どっちだろう?」と悩むこともあります。

今日は、産業廃棄物と一般廃棄物の区別方法を説明してみようと思います。

 

事業活動に伴って生じた廃棄物が全て産業廃棄物になるわけではありません。

一般廃棄物には、家庭廃棄物以外に、事業系一般廃棄物と言われるものがあり、

この事業系一般廃棄物の存在が一般廃棄物と産業廃棄物の違いを困難にしています。

食品工場から出る残渣は、「動植物性残さ」という産業廃棄物ですが、レストランから出る残飯は事業系一般廃棄物です。

しかし、食品工場から出る廃油(揚げ油)も、レストランから出る廃油も、どちらも産業廃棄物の「廃油」です。

この違いを理解する鍵は、「指定業種」。

 

廃棄物が産業廃棄物か一般廃棄物かを判断する際、最初に考慮するのが、

①事業活動から発生したか?

もしも、事業活動から発生したのでなければ、問答無用で一般廃棄物です。

ただし、事業活動から発生したからといえども、直ちに産業廃棄物になるとは限りません。

 

産業廃棄物は20品目を特別に法定されており、それに当たらない廃棄物が一般廃棄物です。

そこで、2番目の考慮。

②産廃の20品目のいずれかに該当するか?

もしも、20品目に該当しないようであれば、問答無用で一般廃棄物です。

ただし、20品目に該当したからといえども、直ちに産業廃棄物になるとは限らない。

 

産廃20品目の中には、事業活動の種類に関わりなく産業廃棄物になるものと、特定の事業活動に伴うもののみが産業廃棄物になるものがあります。

特定の事業活動のことを「指定業種」と呼んだり、業種をしていされた品目を「業種指定」と呼んだりしています。

さきほどの食品工場とレストランの事例では、動植物性残さは業種指定がかかっています。

指定業種の中に、食品工場は含まれますが、レストランは含まれていません。(ざっくり言えば)

ところが廃油は、動植物性残さと異なり、業種指定のない品目です。

この業種指定の違いで、似たようなものでも産業廃棄物になったり一般廃棄物になったりするのです。

3番目の考慮は、

③業種指定されているか?

業種指定されていれば、その業種に該当すれば産業廃棄物。

その業種に該当しなければ一般廃棄物ということになります。

 

やや専門的な文章になったので、まとめます。

①事業活動から発生したか?

②産廃の20品目のいずれかに該当するか?

③業種指定されているか?

以上の3つの考慮により、産業廃棄物か一般廃棄物かが決まってきます。

 

(河野)