現在、出張で関東一円を回っている最中です。

花粉症の薬を買いに新宿のドラッグストアに行くと、初めて「爆買い」の現場に遭遇しました。

若い中国人の女の子3人で、薬の購入金額はなんと150万円。

ひとつのパスポートで50万円までしか買えないと言われていたので、

そんな法律があるんでしょう。

初めて見る爆買いの現場に、圧倒されました。

 

廃棄物処理業というと、排出→収集運搬→中間処理→最終処分という流れですが、

実務の世界では貿易は無視できません。

日本ではゴミとしか考えられないものが、東南アジアに行くと商品として出回っています。

食器も家具も家電も、自動車もぬいぐるみも鍋も子供のおもちゃも、

日本からやってきたものとして、現地でありがたがられています。

日本人の目からは、こんなガラクタ集めてどうするんだろう?と思えるものは、

ほぼ間違いなく貿易に回されています。

 

貿易が廃棄物の不法投棄の温床になっているとの見方もあります。

例えば、部品取りの終わった廃家電は、中国やフィリピンで野焼きされているのではないか?ということです。

日本製の古いブラウン管テレビが、現地の人の手で修理されて、日本製テレビとして販売されているそうです。

日本人は、壊れたブラウン管を修理する事はまずありません。

日本人にとってブラウン管はゴミですが、東南アジアでは別のものに見えるようです。

 

数年前に、日本のある港から、突然冷蔵庫の輸出ができなくなったという話を聞きました。

家電リサイクル法という法律があり、冷蔵庫などの家電4品目に関しては、

製造メーカーのリサイクル過程に乗せて処理することになっています。

しかし、貿易により脱法行為が行われてきたのではないかということです。

 

私は、貿易の善し悪しに関して語る立場にないですが、

廃棄物の処分に関して、間違いなく貿易抜きには考えられないと感じています。

売れるものを金をかけて処分する、という行動はやはり合理的ではありません。

廃棄物処理業は、もはや我が国だけの問題にとどまるものではないという事でしょう。

 

爆買い中国人を見ながら、ふと貿易の事を思い出しました。

 

(河野)